インダクタンスの不揃いの謎

理論的にインダクタンスは L=N^2/R で与えられる
Nはコイルのターン数で、Rは磁気抵抗だ。
同じ材料同じ寸法同じターン数で作っても、インダクタンスに差が生ずることがある。
いったい何故だろう。
で、巻線をし直すと良くなったり悪くなったりする。
巻かれる部品は同じなので、巻き方か、線材の違いなのだろうか?
少なくとも理論式から、どのような巻線状態が良いのかを導くのは難しい。

一般的に巻線は綺麗な整列巻が望ましいとされる。
言ってみればエントロピが小さいほど良いということなのだろう。
細いエナメル被覆線を小さいところに大量に巻いているので、なかなか整列巻が難しい。
機械では巻いているのだが、やはり常に同じ状態では無いのだろうなあ・・というのが推察。

あと、鉄心(ケイ素鋼板)とエナメル線を絶縁するためのインシュレータ―、これはナイロン製のモールド品なのだが、これの状態でも変わるようだ。
特に湿気を含んで膨潤したりすると変形が起き、結果的に巻線の状況が変わり、インダクタンスが変わるらしい。これも推察。

何個かを組み合わせて使うので、絶対的なインダクタンスは変わっても許されるとして、その何個かはインダクタンスに差が無いようにしたい。
「整列巻では無いにせよ、同じ条件で巻いたものはそんなに変わらないだろう。」
で、普段はそんなに不良は無いのだけれど、突然、インダクタンスが揃わないという泣ける状況に陥る事がある。

ある程度の不良はやむを得ないのだろうとは皆思っているのだが、なんとか防ぐ方法は無いものだろうか。

この項完。[2012.4.4]

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