円型の製品の内径を測定する機器に内側マイクロメーター、3点マイクロメーター、シリンダゲージがある、
小型の外測定マイクロメーターには0点が存在するが、測定物が大きい場合それは無い。
そもそも内側のマイクロメーター、3点マイクロやシリンダーゲージには0点が無い。
また、測定範囲が限定されるので、測定物の大きさによってサイズを選ばなければならない。
さて、寸法測定の保障はどうするのかという話。
基準となる、寸法が既知の測定物を用意して、それと比較測定しているわけなので、
基準となる測定物を管理すれば良いと言うことになる。
それがマスターリングとか基準リングと呼ばれるもので、高価であるが、
経年変化をしない、硬い材質でできており、寸法がサブミクロンで判っている。
この基準器に測定器をセットして、その時の表示を0なり、基準器寸法に合わせれば、
正確な測定が出来る。逆にその作業を怠ると、測定値は得られるが、
正しいかどうかは保障できなくなってしまう。
加工物の寸法がおかしいのではないかと調べて回って、
最終的に基準リングに対する測定機の校正が不十分だったという原因に行きついた。
ミクロン単位の測定になると、
測定機の取り扱いも難しく、正しく測定できないと今までの話以前の問題で、
得られた値そのものの信頼も無くなってしまう。
測定というのは極めて重要で、難しい作業だと言う事を再認識したという話。
さて、測定の問題として温度も重要だ。
1mの鉄は1℃で10μm変化する。250mmだと4℃で10μmくらい変わることになる。
はめあいの勘合寸法などは影響を受けるレベルだ。
精密に測る為には温度も重要、
温度のことを考えに入れておかないと何を測っているのかわからない状態となってしまう、
一般的には20℃の雰囲気での測定が基準となっている。
測定物も測定器も同じ温度ならば見かけ上、測定値は変わらないということになるから、
全てが一様の温度ならば、測定としては成立するのかな?
三次元測定機などは温度補正機能を持つものもある。
実際に使った事が無いのでなんとも言えないが、
こうして考えると、何をどう補正しているかをはっきりさせておかないと意味がなさそうだ。
やはり20℃の恒温室で、しっかり時間を取って、すべてが一様になった時に測定を行うのが一番かたい方法だろう。
この項完。[2011.5.14]
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