SOHO・起業家を成功に導く電子書籍販売ツールを提供・・インフォカート

めっき装置の運行表

表面処理関係の部署で驚いたのはメッキ装置。
今まで見たり、作ってきた自動機とは趣が異なることがよく判った。

とは言っても、めっき装置そのものは見たことはあるので、並んだ槽に順番にワークを浸けているのだな・・・くらいにしか思っていなかった。

めっきというのは単にメッキ槽があるだけでなく、水洗いの槽もある。
洗浄槽もアルカリ脱脂、電解脱脂、科学研磨、酸洗浄、アルカリ洗浄などがあり、いくつかをめっき前に行う、全てに余分な液を洗い落して回収する回収槽、水洗槽が大抵伴う。
めっきも1回とは限らず、2回行ったりとか、下地めっきと本メッキと分かれていたりする。 つまり、処理時間が異なる層がいっぱい並んでいる。

端から1槽づつ、ワークを出し入れして進んでいくと、1ワークしか一度に出来ない。
でも開いてる槽は使いたいからワークが順番に投入されることになる。
でも、それぞれの槽に入れる時間は異なる。
ワークを持ち上げて移動して置く搬送機が槽に沿っていくつも並ぶ構造になる。
機械屋なら安易に想像できる光景で、装置としてはシンプルで単純に近いのだが、個々の搬送機の動きは実は結構複雑だ。

お互いにぶつかってはいけないし、なるべく効率よく槽に浸けたい訳だ、槽に浸ける時間は、前述したように一様では無く、数十秒から数十分という差がある。
ほら、だんだんと頭が痛くなってくる、どうすればいい?

そのひとつの答えは運行表。電車みたいにダイアグラムを作る。
めっきが完成するサイクル、たとえば10分と定めて、10分ごとにメッキが済んだワークが出て来るように考える。
槽の処理が10分以上の処理は槽を幾つも増やして、順番に使うようにする。数サイクルの間、槽に入っているようにすればサイクル以上の時間でも槽入れられる。
必要な搬送機の数を考える。
1回のサイクルでそれぞれの搬送機が動く運行表を考える。
やってみたが、まるで詰将棋である、これをデータから自動で作る事ができたら凄い。
さらに、多品種を流したいので、槽に入れる時間も変化させたいなどと考えると装置の動きとデータの流れも入ってきて、パズルのようである。

[2014.1]

この項完。

戻る