ガラス管が割れる話



酸素濃度計のセンサーは温度が上がってないと作動しない。なのでヒーターで温める。 ガラス管にカンタル線を巻き、耐熱接着剤で固めたヒータ―を作っている。
このヒーターのガラス管が何故か割れてしまうのである。

ガラス管にカンタル線を巻き、耐熱接着剤を塗った後で350度で加熱硬化させる。炉から出てきたものの中にガラス管にひびが入っているものがある。

耐熱接着剤スミセラムは縮合反応で固まっていくが、あらかじめ水分を十分に揮発させておかないと爆発的に破裂する。原因はこれかと思われ、乾燥させ、吸湿しないうちに加熱した。2022年のことである。それによって割れはほぼゼロが一年続いた。解決したと思った。

しかしここ最近割れがまた増えだした。謎である。偶発の蓋然的なものとも思えるが、発生に斑があるのはおかしい。

特徴を列挙する。
[1] 2種類の内、太いガラス管は割れるが細い管はあまり割れない。
[2] カンタル線を巻かないで実験すると割れない。
[3] 2種類の割れパターンがある、管の長手方向にひびが走る。一本または数本。もう一つは渦巻き状に局部的にひびが入る、デコピン割れと呼んだ。

当時もいろいろな仮説を立てたが検証は難しく原因は良く解らない。割れも無くならない。そのうち治まるだろうといったところ。


この項完。
[2024.7.6]

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