三次元測定機で平面度を測定すると、値が演算されて出力されるが、詳細に数字を見たい時がある。
データは、X,Y座標とその場所の高さ・Zと表示される。
平面度は、その面の傾きをキャンセルさせて、純粋な凹凸のピークを取る必用がある。
面の傾きをとる場合、代表点の3点を使うのが最も簡単だけれど、3点の取り方で平面度は変わってしまう。
一番客観的な方法は全データから平均的な面を推定すのが良い。そこで最小自乗法が用いられる。
最小自乗法とは、推定される関係式から、計算値と実測値の残差の総計が最小になるように係数を求める方法。
この場合、欲しい面の法線ベクトルが判ればよいので、
平面の方程式は、nx*X+ny*Y+nz*Z-1=0 となる。
データと理論値との差の残差
SUM((NX*Xi+NY*Yi+NZ*Zi-1)^2)=V
が最小となるNX,NY,NZを求める
上式をNXで微分すると
dV/dNX=2*sum(NX*Xi^2+NY*Xi*Yi+NZ*Xi*Zi-Xi)
となり、dV/dNX=0とおくと
NX*sum(Xi^2)+NY*sum(Xi*Yi)+NZ*sum(Xi*Zi)=sum(Xi)
同様にNY,NZを計算して行列で表すと下記となる
sum(Xi^2) sum(Xi*Yi) sum(Xi*Zi)
sum(Xi*Yi) sum(Yi^2) sum(Yi*Zi)
sum(Xi*Zi) sum(Yi*Zi) sum(Zi^2)
の行列に
NX
NY
NZ
法線ベクトルを作用させると
sum(Xi)
sum(Yi)
sum(Zi)
それぞれの測定値の計になる訳だ
逆行列を求めれば、 NX,NY,NZ が算出できる。
おのおのの点でのZ座標を求めて、元データのZから差し引けば、
傾きをキャンセルする事ができる。
ただし、これは、測定方向(Z方向)に対して微妙な傾きをキャンセルさせる場合で、
明らかに斜めな時は、補正の方向も考慮する必用が出てくるだろう。
上記のX, Y, Z のデータから 最小二乗平面を求めるエクセルシートを作りました。
ただし、Zの値が平面に近い場合は演算のエラーが起きるようです、たぶん エクセルの関数の演算内で桁落ちが起きてしまうのではないでしょうか。
最小二乗平面を算出するエクセルファイルのダウンロード
この項完。
[2019.4.14]
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