
パイプにブロックを溶接する。
ブロックの外側にはM49のネジが切ってあるのだが、溶接後にネジゲージが通らない事がある。
事がある・・というのは通る事もあり、通算すると半々くらいの様だ。
溶接の熱でネジが変形すると思われるので、ヒートシンクを付けているのだが効果があるのか良く判らない。
ということで、温度変化が計算できるかやってみた。

前述した差分法は、モデルを兎に角細かく作って微分方程式を近似したものだ。
集中定数系はいくつかのブロックごとの塊を考え、その熱収支を考える。
構成する式は同じだから適材適所で工夫する事になる。
形状が複雑なので、計算を簡単にするために簡単かつ近い形状でモデルを作った。
各部分の熱容量を計算、伝熱面積を定める。
試算してパラメーターを決めて、現実の温度変化に近くなるよう修正した。
熱伝導率は代表的な部分の値を採用、表面から中心までの距離を代表長さで計算する。
TIG溶接でパイプとブロックを接合するのだが、溶接なので接合部はステンレスの溶融温度1500℃以上になるのは当然なのだが、トーチの移動とともに熱源は移動し、溶接ポイントは急激に冷めていく。
温度を境界条件にするのも考えると難しいのでいろいろと考えた結果、熱流束を境界条件にして、供給された熱がブロックに均一に広がると考えた。
パイプを回転させて1周と1/3回転、32秒間の溶接とその後の温度変化を計算してみた。
トーチが周長1mm移動すのに0.3秒、幅2mm深さ1mmのステンレスが1500℃になるのに必要な熱流束は、効率0.7として400W になる。
その熱がどんなふうに移動するかの概算である。

溶接が完了した時、ヒートシンクはわずかに暖かく感じる程度、ブロックは熱いが手でさわれる、しばらく置くとヒートシンクの温度が上昇した。そんな感じが表された。
もう少しヒートシンクへ熱を逃がせられそうである。
接触抵抗を増やす様な工夫がいるかもしれない。
それによって熱歪みの対策になるかは・・どうだろうか?
集中定数系による温度変化計算 エクセルファイルのダウンロード
この項完。
[2019.1.13]
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